京浜急行・三崎口駅からバスで約30分、海岸の突端に三浦半島の奇勝地「荒崎」があります。
荒崎公園内の「潮風の丘」からの景観が「かながわの景勝50選」に選定されています。
荒崎公園へはマイカーで訪れる事もでき、アクセスも簡単です。
今回はのんびりと京浜急行に揺られてやってきました。
京急の終点三崎口駅。三浦半島観光の起点となる駅です。小学生の頃から何度も訪れていますが久しぶりに来ました。横浜駅からなら約50分と近いもんです。
車の場合だと週末のハイシーズンは渋滞するエリアなので電車で行くのが正解かもしれません。
荒崎公園からず~っと海岸沿いに歩ける「荒崎シーサイドコース」と呼ばれるハイキングコースもあります。数年前に歩いた事がありますが、久しぶりなので今回もこのコースで行くことにしました。
三崎口駅から「ソレイユの丘 荒崎行き」バスに乗り約30分。終点の「荒崎」で下車。
バスを降りれば目の前は海。漁船が複数停泊しています。
この道路沿いに南へ真っ直ぐ歩いて行くと荒崎公園です。
海を眺めながら歩いて行きます。遠くにかすんで見えたのは江の島。
富士山はあいにく見えませんでした。既に磯の香りがプンプンです。
荒崎公園に到着。公園前には約90台の駐車場があります。
かながわ景勝50選の石碑がある場所へは、入口ゲートを抜けそのまま直進です。
歩いていると、ヒラヒラと目の前に鳥の羽が舞い落ちてきました。
触った感じも硬く、フワフワッとした羽毛とは大違い。人工素材で作られたかのような立派な羽。
こいつの持ち主は…
トビ(トンビ)。
この辺りの海では行けば必ずと言う程目にしますね。食べ物を持っていると背後から低空飛行で襲ってくるので要注意です。全国的にみても鎌倉・江の島・三浦半島など神奈川県は被害が多いそうです。僕も何度か襲われた経験があり、その時はおにぎりを取られましたが、音も無く猛スピードですり抜け様にかっさらっていくので本当に怖かった。
荒崎公園内でもピーヒョロロロ… というトビの鳴き声が響き渡ります。
公園内には荒崎の歴史について触れている看板があるので読んでおくとその後の散歩も楽しめます。
荒崎の奇勝と歴史について
このあたりの海岸の岩石は、数千万年前、まだ三浦半島が海底であった頃に堆積した黒くて硬い凝灰岩と、白くて軟らかい砂岩・泥岩の層により形成されます。
またこの二種類の岩石の層は洗濯板のような凸凹をした特殊な地形となっています。
これは、岩石の硬軟の差により起こる水や風などの外的な力による差別浸食ばかりでなく、水分を吸収して膨張収縮しやすい砂岩・泥岩層が、水分を吸いにくい凝灰岩層との間で長い年月をかけて変化してきたためと考えられています。
右手にある海中に突きだした小高い岩山は城山と呼ばれ、頂上にわずかの平地を残し周囲は絶壁となっています。
かってここは、鎌倉幕府創設に貢献のあった三浦一党の荒次郎義澄の居城跡と言われています。
また幕末の頃には幕府の命により彦根藩が台場を築いた所でもあります。
~後略~
横須賀市
さて、荒崎の石碑は「潮風の丘」にあります。
荒崎公園に入って真っすぐ進み、トイレの所を斜め右手に入っていくと入り口があります。
草木で道標が隠れてますが、この階段を登っていきます。
途中に見える景観も素晴らしい。「どんどん引き」と呼ばれる入り江。
あっという間に潮が引く様子からこの名が付いたそうです。岩肌の削られたあとも迫力あります。
階段を登り切ると石碑のある広場に到着。高台の為、海のパノラマを一望できる場所です。
時刻は朝9時、まだ誰もいません。
削られた荒々しい岩肌。荒崎らしい独特の景観です。
少し先に見える丘は「夕日の丘」。荒崎から眺める水平線に沈む夕日、富士山のシルエット。景勝50選に選定されるという事は最高の夕日が見れるに違いありません。是非次は空気の澄んだ冬の夕刻に訪れたいと思います。
釣りのスポットでもあるらしい。たくさんの釣り人がいます。
こちらが「二種類の岩石の層が凸凹した洗濯板のような特殊な地形」ですね。
十文字洞。波で浸食された二つの穴が内部で交差しています。長年かけて形成された自然の力を感じます。
現在中を通る事はできません。
散策コースは途中まで整備されていて弁天島まではコンクリートの橋を渡って見に行けます。
海は透明度も高く綺麗な色。
離れ小島のようになっている弁天島。
松の木がいかにも日本らしい景観。
ここから先は岩場を歩いたり、潮を交わしながら進んだりとちょっとしたアドベンチャーコースです。
今日は波も穏やかで、静かな海でした。
数年前に訪れた時は風が強く波が荒々しかったです。
海岸をずっと歩いていると色んな発見があります。
木にくくりつけられたブランコ。ゆっくりと揺られながら海を眺めるなんて。
ハイキングコースの地図で「湧水地帯」と記されていた海岸。
たしかにいくつかの小さい沢、そして湧水が確認できました。
最後まで歩きごたえのあるコース。約6km程でしたでしょうか。
海の匂いを嗅ぎながら景勝地を歩ける。さらに夕陽も綺麗とくれば荒崎は何度訪れても良いですね。
荒崎 アクセス
【所在地】 横須賀市長井6-5320-3
【交通】 京急三崎口駅からバス「荒崎行」(約30分)「荒崎」バス停下車徒歩5分
(車) 横浜・横須賀道路から三浦縦貫自動車道に入り終点まで。 突き当りT字路を左折し、国道134号線南下。
「荒崎入口」交差点で右折、道なりに約10分。
【かながわの景勝50選 一覧表はこちら】
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